<ホームページリニューアルに向けて、担当者がすべきこと> プロジェクトチームの結成

ホームページのリニューアルを、実際に会社から命ぜられた場合、ホームページ担当者は、何をすべきでしょう?

社内稟議、制作会社の選定、コンペの準備等、さまざまあろうかと思いますが、ここでは、『プロジェクトチームの結成』について、お話をしたいと思います。


ここで言う、『プロジェクトチーム』とは、制作会社のスタッフを含めたものではなく、社内の体制を指します。この社内プロジェクトチームには、ざっくりと言えば、以下のような役割のメンバーが必要です。


-プロジェクトリーダー
たいていの場合、サイト運用時における、ホームページ担当者が兼ねることでしょう。
社内各部門との調整や、予算管理、HP制作会社との窓口等を務めます。

-原稿作成担当
ホームページに掲載する原稿を書く人です。
既存のテキスト(製品カタログ、会社案内、旧ホームページのコンテンツなど)を流用する場合には、原稿をセレクトのみならず、画像等他素材を用意する役目も務めます。

-レビューワー
ホームページリニューアルの各段階において、レビューを行うと同時に、アイディアを出し合うメンバーです。
プロジェクトの初期段階においては、サイト・コンセプトやサイト設計、デザイン案等の、言わば基本設計について、アイディアを出し、アイディアを出し合う役目を果たします。
コンテンツ構築段階では、原稿や画像等の素材や、コンテンツ・レイアウト(スケルトン)、ページ・レイアウト等について、意見を述べ、レビューする役割を務めます。

-部門代表者
ホームページリニューアルでは、営業、研究開発、生産、人事、広報、IRなど各部門の協力が必要となります。このような各部門の窓口として、自部門の意見要望を、プロジェクトリーダーと調整する役目を務めます。

-決定者
最終決定権限を担う方です。
例えば、デザイン案について、最終的な決定を行ったり、リニューアル制作後、完成したホームページについて、本番公開のGOサインを出す責任を担います。


上記は、いわゆるSI系プロジェクトにおけるポジショニングのような、美しくギークな担当分けではありません。
上記には、5つの役割をあげましたが、これらは一名=1ポジションのようにきれいに分類されるわけではなく、例えば、原稿作成担当とレビューワーと部門代表者を、一名の方が兼ねたり、また、営業部門の原稿作成者でありながら、研究開発部門の部門代表者を兼ねるようなケースもあります。

プロジェクトリーダーは、ホームページリニューアル・プロジェクトを始動する前に、この5つの役割のメンバーを、社内各部門からピックアップし、プロジェクト参加の打診と内諾をとっておく必要があります。
この際、プロジェクトリーダーは、ホームページの大体のサイト構成を考え、『人事系は○○さんに原稿を書いてもらって、営業系は△△さんに取りまとめてもらって、CSRコンテンツは□□さんが原稿を持っているはず』というふうに、各コンテンツにおける5つの役割まで踏み込んで考えないといけません。

そして、とくに重要なのは、決定者。
プロジェクト進行の各段階において、誰が最終決定を下すのか、これを必ず確認し、プロジェクトメンバーに周知させておかないと....、極端な話、プロジェクトが途中頓挫することもあります。たいていは、適当な役員クラスの方にお願いすることになるかと思いますが、引き受ける人がいない場合、社長以下社内で文句を言いそうな人に、プロジェクトリーダーである自分が、全権委任を受けて、決定権を持つことを確認しておきましょう。

プロジェクトチームを作るのは、新しいホームページの質を高める目的であることはもちろんですが。
もう一つの理由は、プロジェクトリーダーの負担を軽減するためです。

ここをさぼると、後々大変な目にあいますので、ゆめゆめ軽んじることのないことをお勧めします。



【余談】
自分が担当した、総ページ数が二万ページ程度ある某大手企業のHPリニューアルプロジェクトにおいて、ほぼ7割がたプロジェクトが進行した段階で、デザイン変更の指示が発令、すでに完成しているページを含め、全部作りなおしたことがありました。
原因は、突然会長がレビューに参加し始めたこと。
基本デザインが会長の好みと違ったらしく、鶴の一声でこのような事態と相成ったわけですが、スケジュールから予算から、すべてひきなおしとなり、自分はもちろん、プロジェクトリーダーからHTMLコーダーまで、上へ下への大騒ぎとなりました。

よくある話ではありますが。
いざ自らの身に降りかかると、笑えないもんです(泣)