特許とパートナーシップ

以下、INTERNET watchからの転載→→→
Googleは3日、公式ブログで「Androidソフトウェア特許による攻撃にさらされている」との文章を掲載した。
(中略)

Googleは、「スマートフォン1台あたり約25万件の特許が含まれている可能性がある」としているが、それら特許の多くには「疑問符が付く」「いんちき特許」とも指摘した。それにもかかわらず、ライバル企業はそうした特許を利用してでもAndroid端末を高くしようとし、競争を有利に運ぼうとしていると主張する。

 そして、これらの動きが反競争的戦略であり、「この特許買収が反競争的手段のために買収されたのではないかということに、米司法省が関心を抱いていることに勇気付けられている」としている。また、こうした反競争的戦略は、特許の価値を実際よりも高額に見積もっていると非難。そもそも特許はイノベーションを推奨するためのものだが、近年は「イノベーションを妨げるための武器として使われている」と厳しく糾弾した。
(中略)

 米国議会でも現在、ソフトウェア特許の見直しに関する議論か行われており、今後この分野の特許についてのあり方が見直される可能性も出てきている。その一方で、当然のことながらソフトウェア特許の中には「いんちき特許」ではない高度な技術が含まれているものある。Googleも高度な技術開発を行ない、特許を取得している企業の1つだ。ソフトウェア特許問題自体、米国議会へのロビー活動の一環であるかもしれないことも考慮した上で、古くて新しいこの問題を考える必要がありそうだ。

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20110804_465226.html



以前勤めていた会社で経験したことです。
当時、私は新しいソリューションのビジネスモデル構築に従事していました。
私の在籍する会社には、そのソリューションを開発する能力がなかったため、同じようなソリューションを既に持っていて、それを我々のためにカスタマイズすることが可能で、かつ私の在籍会社のブランドで販売を行うことを良しとするベンダーを探していました。

以下は、その候補となった、あるベンダーでの話です。
そのベンダーの持っているソリューション(以下、ソリューションAと表記します)は、確かに我々の目指す新しいソリューション(以下、ソリューションA+と表記します)のベースとして十分なスペックを備えていたのですが、よくよく調べてみると、大きな問題を抱えていました。
というのも、ソリューションAは、海外のとある会社(以下、会社Zと表記します)の特許技術を利用していたのですが、この会社Zが、特許を売買することで収益を確保している様子だったからです。
もともとは、会社Zも、まっとうなソフトウェア開発会社だったらしいのですが、どうやら特許を金儲けに転じることにうまみを覚えてしまったらしく、ネットの世界でもよろしくない評判がたくさん出回っていました。

ソリューションAのベンダーさんは、気まずそうにこのようにおっしゃっていただけたのですが。
「私どもは、ライセンス契約をきちんと締結していますので、ご迷惑をかけることはないはずです....」

特許関係のごたごたに巻き込まれることを懸念し、結局このベンダーさんとのパートナーシップは見送ることとしました。


その後、別のベンダーさん(以下、ベンダーBと表記します)と交渉し、パートナーシップを結びました。
その際、私は会社からソリューションA+でビジネスモデル特許を取得することを命じられました。
その結果、ベンダーBは、自社ソリューションでありながら、私の在籍会社が展開するソリューションA+と同ベクトルのビジネス展開を行うことを封じられてしまうこととなりました。

私の在籍会社が行ったことは、ビジネス戦略としては当然のことかもしれません。
しかし、私はビジネス特許の申請が完了した後で、ベンダーBさんに対し我々がビジネスモデル特許を取得したことを伝えたときの、先方の愕然とした表情が忘れられません。

少なくとも、気持ちよくはなかったですよ、私自身....
だから、というわけではありませんが、私はその会社をわずかな在籍期間で辞めることにしました。


特許というのは、その力が大きすぎるがゆえに、使い手の品性が問われるツールでしょうね。
武器として使えば、きわめて強力なものとなりますし、友好のあかしに使えば、これまた強固なパートナーシップの礎となることでしょう。


Androidが、これからも良質なOSとして、ますますの発展を遂げてくれることを切に願います。